公益社団法人 日本アクチュアリー会
 

当会について 当会の概要

理事長挨拶(バックナンバー)

2018年度

理事長 角 英幸

2018年度年次大会理事長挨拶より

日本アクチュアリー会
理事長 角 英幸

 現在の当会の重点取組事項についてお話したいと思います。

 まずは、「国際的な経済価値ベースのソルベンシー規制・会計基準等への対応」についてです。この取組事項は、監督制度・会計制度の大きな改正に関わるものであり、継続的に最重点取組事項としております。
 会計基準の分野では、昨年IFRS第17号「保険契約」が公表されましたが、当会も例会等で多くテーマに取り上げています。また、IAAでは、IFRS第17号に対応したモデル実務基準ISAP4の開発が進められていますが、当会も積極的に参画し、保険会計部会を中心に議論を深めております。
 ソルベンシー規制の分野では、IAISが「ICS Version 2.0」の導入に向けてコンサルテーション・ペーパーを本年7月に公表しました。こちらもIAAで議論されていますが、当会も保険監督部会を中心に検討に参画しています。
 いずれの分野でも、国際的な議論を十分に認識・理解し、専門的な立場から議論・検討に大いに貢献することがアクチュアリー、及び日本アクチュアリー会の重要な役割であり、今後は、国際基準対策委員会を中心に幅広く議論に対応していく必要があると考えています。

 次に「プロフェッショナリズムの向上」についてお話しします。
 アクチュアリーの活躍するフィールドは、生命保険・損害保険・年金といった伝統的分野から、リスク管理、さらにデータサイエンスへと、拡がっていることはご案内のとおりです。伝統的分野であれ、新しい分野であれ、プロフェッショナリズムが全ての基礎・基盤になります。
 当会ではプロフェッショナリズムの向上に繋がる様々な活動を行っていますが、ここでいくつか触れたいと思います。

 まずは、データサイエンスです。
 この分野は新しい分野として、ここ数年、精力的に研究・調査に取り組んでおります。昨年は会員アンケートも実施し、685名という非常に多くの会員、特に20代・30代といった若い世代に多くご参加いただきました。こうした会員の声も踏まえ、現在、当会として取り組むべき事項を取りまとめております。 データサイエンスというと、その範囲は広く、内容も多岐に亘ります。その中で、アクチュアリーが具えるべき知識・技術の整理が必要と考えております。さらに、データサイエンスにおけるプロフェッショナリズムについてもあわせて検討して参ります。
 また、会員アンケートで「休日シンポジウム」への要望が一定程度あったことを受け、12月に、データサイエンスを中心とした、土曜日のシンポジウムの企画しております。是非ご参加いただき、ご意見等をお聞かせいただければと思います。

 次に、試験制度・教育制度のレベルアップです。
 リスク管理の分野についてですが、ERMに関する国際資格「CERA」の有資格者は、現在日本で68名とまだ少ない状況にあります。アクチュアリーが、統合的リスク管理、ERM態勢の整備・高度化に貢献するために、引続きCERA資格を推進し、ERM人材の育成に取り組んで参りたいと思います。
 データサイエンスについても、より具体的に、試験制度や教育制度の対応も必要になって参ります。IAAの教育シラバス改定が昨年のシカゴ会議で決議されていますが、こうした国際的な動向も踏まえ、現在、試験・教育企画委員会を中心に、検討・議論を重ねております。
 プロフェッショナリズムの向上という観点では、継続教育制度は重要な要素の1つです。新しい継続教育制度の実施から3年が経ちました。現在のCPD単位の履修目標の達成率は73.9%と一定の水準にあるものの、さらに高い水準を目指すべきと考えております。先ほどの休日シンポジウムなど、新しい取組みも含め、継続教育のコンテンツの拡充に努めて参りますので、会員の皆様には是非積極的にご参加いただき、研鑽を積んでいただきたいと考えております。

 次に、ICA2026に向けた基盤、環境作りについてお話しします。
 本年6月にドイツ・ベルリンでICA2018が開催され、102ヵ国から約3000人のアクチュアリーが参加し、大成功の大会となりました。本日午後、ICA招致委員会がベルリン大会のセッションを企画しており、その中で詳細は報告させていただきます。
 4年後の2022年はオーストラリア・シドニー、そして8年後の2026年には、ここ東京でICAが開催されます。
 ICA2026に向け、これまで以上に学術活動を促進させ、国際レベルでの論文発表や情報発信に取り組んでいく必要があります。年次大会における英語セッションやVICAの「会員パブリックビューイング」など、英語のコンテンツも強化しておりますので、こうした機会も活用し、グローバルな視点・議論にも触れていただきたいと思います。
 学術活動を促進する上では、大学や研究機関との連携強化が必須となります。既にいくつか取り組んでおりますが、今後は更に外部機関との関係強化が必要と考えます。

 当会は来年120周年を迎えます。119年の歴史というものは、我々にとって貴重な財産です。歴史や経験から学ぶことは非常に多くあります。一方で、時として、歴史や経験に基づき築き上げたものが、「変えること」の阻害となることもあります。 しかし、119年の歴史は、変革の歴史でもあり、歴史を紐解けば、変革、チャレンジの重要性を学ぶこともできます。IAAなどにおける国際的なアクチュアリー専門職の議論を十分に踏まえつつ、日本におけるアクチュアリーのプロフェッショナリズムとは何かを考え、環境変化に柔軟に対応した「改定」や「見直し」に取り組んで行く必要があると考えます。
 会員の皆様におかれては、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。



以 上

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2017年度

理事長 角 英幸

平成29年度年次大会理事長挨拶より

日本アクチュアリー会
理事長 角 英幸

 現在の当会の重点取組事項についてお話したいと思います。重点取組事項は、次の3点、と考えます。
  ① 国際的な経済価値ベースのソルベンシー規制・会計基準等への対応
  ② 伝統的分野を超えるチャレンジ
  ② プロフェッショナリズムの向上
項目としては、昨年と同じですが、最近の動向を含め、順に説明させて頂きます。

 まず、1点目「国際的な経済価値ベースのソルベンシー規制・会計基準等への対応」についてです。
 会計基準の分野では、IASBが本年5月にIFRS17号を公表しました。本基準は20年の議論を経て、最終化を迎えましたが、今後は、基準の適用について、議論が進められて行くものと思います。
 ソルベンシー規制の分野では、IAISが「拡大フィールドテストのための国際資本基準」ICS Version1.0を本年7月に公表し、また、ICS Version2.0の導入プランが示されるなど、国際的な議論が進められています。また、監督分野におけるIAISとIAAの合意書締結も先日発表されました。新興国中心ですが、監督分野のアクチュアリアル・スキルの増進に取組むというものです。
 これらの会計・監督のテーマは、当会にとって最も重要な取組事項になります。国際的には、IAAでの議論に参画・貢献し、国内の議論では、関係機関と緊密に連携させていただき、引き続き、精力的に取り組んで参りたいと思います。

 2点目は、「伝統的分野を超えるチャレンジ」です。
 当会は、保険・年金といった伝統的分野のプロフェッショナルとして約120年の歴史を積み上げて参りました。一方で、社会・経済環境の多様化・洗練化・複雑化が進む中、我々アクチュアリーがそのスキル・ノウハウを発揮できる分野にも拡がりが見られます。具体的には、リスク管理やデータサイエンスの分野が挙げられます。
 これらは単なる領域の拡大ではなく、我々アクチュアリーが、その能力を発揮し、新しい分野の発展に寄与しなればならないものと考えます。つまり、公益への貢献です。

 このうち、リスク管理の分野についてお話します。ERMは、リスクをベースとして、健全性確保と収益性向上の両方を目指すためのものであり、これからの企業経営・事業体の運営には欠かせないフレームワークです。全てのリスクを統合的・包括的・戦略的に把握・評価するには、高度な専門知識が必須になります。
 CERAは、ERMに関して、最も包括的で厳格な世界共通の資格として、国際的に認識されています。日本でのCERA資格試験は、今年で6年目となりますが、当会では資格試験だけでなく、研修やセミナーなどを通じて、ERMの専門人材の育成に取り組んで参ります。

 次にデータサイエンスについてお話します。この分野は、世界各地でアクチュアリーの新領域として、注目と関心を集めています。北米や欧州を中心に、資格制度や教育制度の具体的な対応や検討が始まっています。
 IAAの教育シラバスの改定が先日のシカゴ会議で決議されましたが、今回の改定の中で、「データとシステム」が新しく学習領域となっております。
 こうした中、当会としても、本年度の事業計画の中で、新たな課題として認識し、取組みを進めております。
 各国・各地域でのマーケット状況などの違いも踏まえ、国内外の情報収集、調査・分析を進め、9月には4回連続の集中セミナーを開催しました。このセミナーの目的は、この分野にこれから取り組んでいくために、現状の整理を行い、アクチュアリーが「何に」「どう」取り組むべきかを考察するものです。
 この集中セミナーでは、各回100名の定員に対し、300名近くの申込みを頂きました。会員の皆様の関心の高さが伺えますが、加えて、通常の例会とは異なり、20代・30代といった若い世代の申込みが多いという特徴がありました。この分野がこれから将来に向けて重要な分野であると言えるでしょう。
 また、現在、データサイエンスに関する会員向けアンケートを実施しております。これは、今後の取組みに関して、会員の皆様のご意見をお聞きするものです。

 3点目は、「プロフェッショナリズムの向上」です。先程、業務領域の拡がりについてお話ししましたが、伝統的分野であれ、新しい分野であれ、アクチュアリーはプロフェッショナリズムを持って業務にあたる責任があります。
 プロフェッショナリズムを構成する要素としては、専門的な知識や経験がまず必要ですが、同時に、倫理的な行動も必須になります。そして、アクチュアリー組織はプロフェッショナリズムを保証する枠組みを構築し、個々のアクチュアリーはその枠組みに従うことで、プロフェッショナリズムの説明責任を果たすことになります。
 日本アクチュアリー会は、技術面・倫理面、両面にわたって、プロフェッショナリズムの枠組みの構築に取り組んで参りました。具体的には、行動規範、懲戒制度、実務基準、継続教育制度 などです。
 実務基準の最近のトピックスとしては、IAAにおけるモデル実務基準ISAPsの開発が挙げられます。保険会計に関し、IFRS17号に対応するISAP4、また、ERM・ICPに関するISAP6の開発が進められています。
 これらの分野は、当会にとっていずれも最重要取組事項ですが、一方で、実務基準はアクチュアリー業務への影響が大きいことから、日本の実務の実態なども踏まえ、慎重に対応すべきです。国内外の状況も十分に考慮しつつ、関係各委員会にて議論に着手して参りたいと思います。

 国際的活動についても何点かお話しします。
 ICAについては、浅野ICA招致委員長のリーダーシップにより、2026年の東京開催が決定したことは既にご案内のとおりです。
 来年2018年には、ドイツ・ベルリンでICAが開催されます。東京開催の成功のためにも、是非多くの方々にご参加いただきたいと思います。今回は、ドイツ・アクチュアリー会からウェバー会長に海外来賓としてご参加頂いています。本日の特別講演の後と晩餐会で、来年のICAについてご紹介いただくことになっております。
 IAAにおける活動ですが、先日のIAAシカゴ会議にて、吉村理事が、正式に2018年のプレジデント、会長に就任することが決定しております。日本のアクチュアリーとして、大変名誉なことであり、当会もしっかりサポートして参りたいと思います。吉村理事以外にも、多くの当会のメンバーがIAAで重要な役割を担い、IAAの活動に貢献しております。

 さて、今年度の年次大会ですが、大会委員会・プログラム部会による検討と、講演者・パネラーの皆様のご協力のおかげで、大変充実した内容となっております。
 本日の特別講演では、北川源四郎先生よりデータサイエンス、トム・テリー会長からプロフェッショナリズム、進藤勇治代表からは世界経済についてご講演いただきます。どのテーマも今の日本のアクチュアリーに非常に重要な内容です。
 明日も、17編の論文発表に加え、数々のプレゼンテーションとパネルディスカッションがあり、多彩な内容となっていますが、今年からの新しい取組みとして、英語のセッションを設けました。昨年まで別途開催していた国際関係委員会主催のOpen Discussion Forumを、年次大会のプログラムに組込みました。この機会に是非チャレンジしてみて下さい。
 時代の変化とともに、アクチュアリーに求められる役割は、遷り変って参ります。どのような状況でも、プロフェッショナリズムを堅持し、公益に貢献していくことが、アクチュアリーと日本アクチュアリー会の使命であると考えます。
 そして、こうした理念に基づく、日本におけるアクチュアリー・ブランドを確立して参りたいと考えております。会員の皆様におかれては、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。



以 上

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2016年度

理事長 角 英幸

理事長就任のごあいさつ

日本アクチュアリー会
理事長 角 英幸

本年3月23日に開催された理事会の決議により、4月1日付で理事長に就任いたしました。就任にあたり、会員の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。

最初に、浅野前理事長におかれましては、その在任中、新たに制定された当会のスローガン”Think the Future, Manage the Risk”のもとで、「国内外でのアクチュアリーのプレゼンスの向上」、「新・継続教育制度の準備から円滑な実施に向けた対応」をはじめ、当会の発展ならびに我々アクチュアリーのブランド力の向上に多大な貢献をしてこられました。 そのご功績に改めて感謝の意を表したいと思います。 なお、浅野前理事長には、会長にご就任いただき、ICA2026招致委員会の委員長として招致活動を推進いただくとともに、今後も引き続き当会全般についてご指導いただくことといたしました。

さて、昨今、少子高齢化による人口構成の変化、グローバル化の進展などの社会経済情勢の変化を背景に、保険・年金事業等に対するニーズやそのビジネスモデルは絶えず進化し多様化し続けており、これと同時に、統合的リスク管理態勢の整備・高度化が図られ、国際的な経済価値ベースのソルベンシー規制や会計基準に係る審議が進むなどしています。 こうした中、我々アクチュアリーの役割も益々広範になり、かつ高度な専門性が求められてきていると感じております。

当会はこれまで、様々な研究や有意義な提言を含む諸活動を通じてアクチュアリーの知見を築き上げてきましたが、これらについて、さらに、昨今の環境変化にも柔軟に対応でき、より有益なものへと発展させていくことが重要であると考えております。 そのためにも、これを支える委員会等の活動、新・継続教育制度をはじめとする試験・教育体制等のさらなる充実に取り組んでまいります。

また、広がるアクチュアリーの役割を、将来に亘って果たし続けるためには、当会全体の活動を活性化し続けることが重要であり、特に、当会といたしまして、次世代の育成や若手アクチュアリーの研鑽の場の提供などを進めてまいりたいと考えております。

最後に、当会およびアクチュアリー学の益々の発展、アクチュアリーのさらなるプレゼンス向上に、会員の皆様のお力を拝借しながら全力を尽くす所存ですので、ご支援、ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。



以 上

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