グローバルな活動

よりグローバルな視野を育むために――
各国のアクチュアリーとの交流を図っています。

保険・年金制度の先進国である英国をはじめとする欧州各国、世界最大の保険・年金市場を持つ米国では、早くからアクチュアリーが“保険・年金分野のスペシャリスト”として社会的な評価を受けています。保険制度や年金制度は各国で異なるものの、アクチュアリーの基本的役割は共通であり、グローバルな交流は非常に有意義であることから、日本アクチュアリー会は世界各国のアクチュアリー会との交流を大切にしています。

国際アクチュアリー会(IAA:International Actuarial Association)

国際アクチュアリー会(IAA)は各国のアクチュアリー会によって構成され、「アクチュアリーの役割の発展」や「専門性の向上」などに関する非営利かつ非政治的な民間の組織として運営されています。さらにIAAでは、各国のアクチュアリー(会)間での議論の場を提供したり、国際的な団体との議論に世界のアクチュアリー会を代表して出席するなどの役割も果たしています。
日本アクチュアリー会はIAAの正会員として認定されており、IAAの多くの委員会に積極的に委員を派遣したり、IAAの会長に当会の会員が複数回選出されるなど、その活動に大きく関与しています。

学術セクション

IAAに様々な学術セクションがあり、各分野の精力的な研究が行われています

AFIR-ERM:Actuarial Approach for Financial Risks

アクチュアリーの投資リスクに関する研究を行っています。年1回、研究発表や意見交換の場として開催される国際会議には、アクチュアリーのほか、ファンド・マネージャーや学者も多数参加し、学問的にも高い水準を誇っています。

ASTIN:Actuarial Studies in Non-Life Insurance

アクチュアリーの損害保険部門に関する研究を行っています。機関誌「ASTIN BULLETIN」に論文などを掲載しているほか、研究発表や意見交換の場として国際会議を年1回開催しています。

IAAHS:IAA Health Section

医療・健康保険分野に携わる世界中のアクチュアリーの連携を確立・推進し、有益な情報の提供を目的としています。

IAALS:IAA Life Section

アクチュアリーの生命保険部門に関する研究や情報交換を行っています。

IACA:International Association of Consulting Actuaries

専門家としての責任に影響を与える事項について、国際的な基準でコンサルティングアクチュアリーの見解・情報を交換しています。

PBSS:Pensions, Benefits, Social Security Section

社会保障制度や年金制度などに関する研究や情報交換を行っています。

国際アクチュアリー会議(ICA:International Congress of Actuaries)

国際アクチュアリー会(IAA)では世界各国で4年に1度、国際アクチュアリー会議(ICA)を開催しています。この会議では、各国のアクチュアリーによる論文発表をはじめ、その時々の興味深いテーマについて活発な意見交換が行われています。
1976年に東京で開催された第20回大会では、世界44か国から2,200余名が参加し、当時の皇太子ご夫妻に開会式にご臨席賜りました。なお、2026年の第33回大会は再度東京で開催されることが決定しております。

IAA会議(IAA:Council and Committee Meetings)

IAA 会議では、IAAの理事会のほか各委員会や学術セクションの会議が開催されます。
目的としては、日本アクチュアリー会年次大会や ICAのような研究成果等の発表の場ではなく、意思決定やIAAとして公表する資料等の承認です。
この会議は世界各国の様々な都市で行われており、1999 年8月および2019 年11月に、東京においても開催されました。

アジアアクチュアリー会議(AAC:Asian Actuarial Conference)

アジアアクチュアリー会議(AAC)はアジアを初めとする各国・地域のアクチュアリー会で構成される会議で、1981年から会員国の持ち回りで開催されています。日本では、1995年に第8回大会、2007年に第14回大会が開催されました。
第14回大会は、「Actuaries in Asia ;making a new epoch(アジアのアクチュアリー~新時代の開拓)」というテーマで、20か国から600余名が参加し、論文も52編提出されるなど、盛大なものとなりました。

東アジアアクチュアリー講座(ASEA:Actuarial Seminar of East Asia)

日本アクチュアリー会では、東アジアを初めとする各国・地域の若手アクチュアリーを対象として、セミナーを年1回日本で開催しています。このセミナーでは、日本の保険商品や保険市場、保険会計などに関する講義や具体的なアクチュアリーの実務などについて意見交換を行っています。セミナーを通じ、近隣諸国のアクチュアリーとの交流を行い、近隣諸国のアクチュアリーの養成やアクチュアリー学普及を支援しています。

国際会計基準・保険監督の国際基準への対応

国際会計基準および国際資本基準については、それぞれIASB(国際会計基準審議会)ならびにIAIS(保険監督者国際機構)において精力的な検討がなされてきました。IAA(国際アクチュアリー会)は両機関の会員として、主に保険負債の測定などに関する技術的支援を行ってきました。またIAA 正会員メンバーである日本アクチュアリー会も、国際基準対策委員会に関連部会を設置し、IAA の委員会活動に積極的に参画し、意見表明を行っています。

アクチュアリー海外研修

海外におけるアクチュアリー学に関する研修・教育機会の提供、英語による論文発表・プレゼンテーションを行う機会の提供などを目的にしており、若手会員が海外のアクチュアリー会などが企画する年次大会や研修に参加しています。