アクチュアリーという仕事の魅力

生命保険分野

丸山 かおり

生命保険会社 主計部
情報理工学系研究科
数理情報学専攻

スキルを活かし、学び続けられるのがアクチュアリーの魅力。
何歳になっても高い目標とエネルギーを持ち、専門性を磨きたい。

仕事内容

新しい制度に対応するため社内の仕組みをつくる。
チームメンバーと協力してその難しい仕事に挑戦

2025年から日本の保険会社に対して「経済価値ベースのソルベンシー規制」という新しい資本規制制度が適用されます。この新制度では、従来とは異なり資産と負債を時価評価する必要があることから、対応に向けてクリアすべき課題が多くあります。私が所属する部署では、経済価値ベースのソルベンシー比率の計測方法の検討や、その複雑な計算を正確かつ適切に行うための実務体制の構築に注力しています。

現在取り組んでいる業務は、会社のなかで“新しい仕組みをつくる”ものです。それだけに、これまでのやり方を踏襲するのではなく、目的や目標に照らして「本来はどうあるべきなのか」を常に考えて行動しています。また、社内のさまざまなスタッフとコミュニケーションをとって、互いの能力を活かし、不足を補い合いながらチームで取り組んでいます。新しい制度への対応という難しい仕事ができるのも、周囲の支えがあってこそ。感謝の気持ちを忘れないことも大切にしています。

仕事の魅力

自らが培ってきたスキルと経験を活かし、
仲間とともに成長できることがやりがいにつながる

経済価値ベースのソルベンシー規制への対応は、保険業界でも注目されている分野の一つ。業務を進めるなかでプレッシャーを感じることもあります。でも、重要な仕事を任されていること、またアクチュアリーとしての専門性が求められていることは、大きなやりがいであり喜びです。例えば、経済価値ベースのソルベンシー比率のある要素について、私が中心となり何カ月もかけて検討した提案が社内で採用されたことがありました。この時は専門的な内容でありながらも、自分の説明がアクチュアリー以外の相手にもきちんと伝わり、信頼を得られたことが何よりも嬉しかったです。今後も培ってきたスキルと経験を活かし、責任を持って業務をやり遂げたいと思っています。

一方で、ある数字の動きについて質問され、どんなに分析しても納得のいく答えが見つけられずに、力不足を感じた辛い経験もあります。しかし、そうした経験を糧にして、アクチュアリーとして常に学び続けてきたことで、着実に成長することができたと感じています。

今後の目標

「あなたにぜひ任せたい」。専門性をさらに磨き、
他のメンバーからそう言われるアクチュアリーになりたい

アクチュアリーが活躍できる分野は、年々広がり続けています。また、それとともに各分野で求められる知見やスキルは高度化しています。こうしたなか、これからのアクチュアリーには、「自分の専門分野の知見やスキルを極め、強い責任感で担当分野を死守する」「別の専門性を持つメンバーと強固なチームをつくり、会社や社会に貢献する」といったことが求められてくると思います。もちろん、相手に理解してもらうための説明力や論理的思考力、チームで成果を上げるためのコミュニケーション力などを備えていることも業務を担ううえで重要です。こうしたことすべてに磨きをかけていきたいと考えています。

めざすのは社内の多くのメンバーから「丸山さんにぜひ任せたい」と言ってもらえる存在になること。何歳になっても高い目標とエネルギーを持ち、アクチュアリーとしての専門性を高めていきたいです。また、子育て中のアクチュアリーとして、仕事も家庭も、そして自分自身も大切にする働き方を後輩たちに示せればと思っています。

Message

メッセージ

アクチュアリーは知的好奇心を満たし、自身を成長させることができる、とても魅力的な仕事です。もしかしたら、理系の学問を専門にするアクチュアリーは、女性の方には敬遠されやすい職業なのかもしれません。ですが、実際に働いてみると、男女間で能力差や待遇に対する違いは全くありません。女性にとっても非常に働きやすい仕事だと感じます。長く安定して働くことができるのもこの仕事の魅力です。ぜひ、多くの方にアクチュアリーをめざしていただきたいと思っています。