アクチュアリーという仕事の魅力

その他の分野

伊藤 大貴

監査法人系アドバイザリーファーム
多元数理科学研究科

専門知識の習得も、複雑な数理モデルの構築も。難しい課題を考え抜くことで見える面白い世界がある

仕事内容

数理モデルのサポートや内部統制整備などのアドバイザリー業務から、監査支援業務まで。自分の意志を持って計算ロジックを考える

私は監査法人に所属し、生命保険会社の監査支援や保険計理人業務のほか、IFRS17や米国会計基準(LDTI)に対応するための数理モデルのサポート、内部統制の整備を行ってきました。最近では、経済価値ベースのソルベンシー規制(ESR)への対応に関するアドバイザリー業務などにも従事し、保険数理に関する幅広い分野に関わっています。

仕事をするうえで、何事にも自分の意見や考えを持つことを大切にしています。ただ計算結果をアウトプットするだけではなく、自分の作ったロジックは適切に収益を反映できているか、モデルの結果は説明可能かなど、責任感をもってクライアントに結果を提示するように心がけています。

仕事の魅力

若手でも専門家として携わり、経営における大きな意思決定に寄与できる

クライアントの課題を解決するためには、専門性を発揮するだけでなく周りを巻き込んでディスカッションしていくコミュニケーション力も求められます。ディスカッションの末に、自分が計算した結果がクライアントの意思決定に活用された時は大きなやりがいを感じ、同時に自分自身の成長も実感できました。

また、年齢に関係なく、専門家として大きな責任感を持って業務を行うことができるのもアクチュアリーの魅力です。アクチュアリーが比較的少ない内部監査部門のような方々からもとても信頼されていると感じます。

今後の目標

データ分析やAIなどの新しい領域への挑戦を通して、より価値のあるアドバイザリーを提供したい

テクノロジーの進歩により、アクチュアリーは将来収支計算に留まらず、より経営に対して重要な戦略的意思決定にかかわる機会が増えると考えられます。アクチュアリーの重要な役割は、計算結果を報告するだけでなく、その分析結果を分かりやすく説明し、クライアントの意思決定をサポートすることにあるからです。

そのため、今後アクチュアリーには、保険数理の専門知識だけでなく、経済、金融、テクノロジーなど広範な知識と視点が求められるでしょう。幅広い分野から常に情報を取り入れ、戦略策定やリスク管理、新しく開拓された領域において、より価値のあるアドバイザリーを提供すること。それが、私たちがこれから担っていくべき役割だと考えています。

私自身は伝統的な保険数理業務も大切にしつつ、今後はデータ分析やAIなどの新しい領域に挑戦していきたいです。将来的には、先進的な活動をしている海外のアクチュアリーとグローバルファームのネットワークを使って、さまざまなプロジェクトに取り組んでいきたいと考えています。

Message

メッセージ

アクチュアリーになるためには、資格試験の勉強や専門的な業務の知識の習得など日々成長し続ける情熱が必要です。その過程では困難もあるかもしれませんが、乗り越えた先には、身に付けた知識と経験を通じてしか見ることのできない、面白い世界が待っています。

また、同僚やクライアントと難しい課題を考え抜くことやともに過ごした時間は、人生においてかけがえのない価値があります。将来、一緒にアクチュアリーとして活動できることを楽しみにしています。