公益社団法人 日本アクチュアリー会
 

アクチュアリーを知る アクチュアリーという仕事の魅力

グローバルな環境と先進的な業務。学び続ける姿勢があれば、フィールドは無限に広がっていく。
  その他の分野 鈴田雅也さん 監査法人 第2金融部 理工学部 数学科

現在の仕事内容について教えてください。

ある監査法人のアクチュアリー部門の責任者として従事しています。生命保険会社の監査はもとより、グローバルな生命・損害保険会社のデューディリジェンス(買収監査)、またIFRS導入やERM(統合的リスク管理)を含むリスク管理についてのアドバイザリー業務などに携わっています。

仕事をする上で大切にしていることは何ですか。

私はもともと大雑把な性格で、緻密さや正確性が求められるアクチュアリーの割には“一般人感覚”だと自認しています。その感覚を存分に活用し、アクチュアリーでないお客様に対しては、相手の目線で理解しやすい説明をするよう心がけています。また、常に論理的に思考し、大局的に物事を判断することも大切にしています。

アクチュアリーに求められる能力とは何だと思いますか。

アクチュアリーという仕事は、数学的な面だけでなく、例えば社会のさまざまな現象をモデル化し分析することにより何が起こっているのかを説明するというような、社会学的な面の両方を持っていると思います。ですから、詳細な計算や分析を行う数理的な専門能力が求められるのはもちろんのこと、「アクチュアリーではない方にも大局的に、わかりやすく説明する」という能力も重要になります。

仕事の魅力ややりがいを教えてください。

アクチュアリーは専門性の高い仕事ですから、いい仕事をすることが、アクチュアリー全体の評価向上につながります。前々職で勤務していた生命保険会社では、企画部門初の若手アクチュアリーだったのですが、配属が決まったとき、当時の上司から「鈴田のあとに後輩アクチュアリーが配属されたら、君が評価されたということだから」と言われました。今では後輩アクチュアリーが当たり前のように配属されるようになり、「ちょっとは足跡を残せたかな」と思っています。

また、その後はアクチュアリーコンサル会社、監査法人と経験し、現在ではグローバルな環境に身を置いています。このように、専門性の高い最先端の業務を経験できることも魅力です。

アクチュアリーとして、これまでの仕事で“もっとも嬉しかった出来事”は何ですか。反対に、“もっとも辛かったこと”は?

監査においては、お客様の望む方向が、必ずしも監査法人として許容できないようなケースも出てきます。この場合は特にお客様とのコミュニケーションが重要になります。シビアな局面もありますが、そこでブレない判断ができれば、着実に信頼関係を積み上げていくことができます。また、アドバイザー業務では名指しで依頼をいただくこともあります。このような業務が成功裏に終わった時も、お客様との信頼関係の重要性を再認識します。

年輪のように重ねてきた信頼関係の深さを実感するときは、いつも誇らしく思う反面、さらに育てていかねばならないのだと身が引き締まります。

アクチュアリーになってよかったと思うことはありますか。

アクチュアリーとして、さまざまな保険会社で働く方と知り合えたことは大変貴重な経験だと思っています。

また、私は監査法人に勤務しているため、会計士の方々と日々意見交換をします。最近では、IFRS4の適用についてひざ詰めで議論したこともありました。また、社内でも、各国で勤務するアクチュアリーの方と意見を交わすことが多々あります。さまざまな専門家との情報交換やブレーンストーミングは、知的好奇心を大いに満たしてくれる体験です。

今後、アクチュアリーが果たしていくべき役割とは?

これまでアクチュアリーのスタンダードといえば、生保、損保、年金の3分野でしたが、これからは全く違った分野の専門家との競争が始まるかもしれないと考えています。それは例えば、AIを研究するデータサイエンティストや、AIロボット自身なのかもしれません。電車の切符切りがいなくなり、自動改札となったように。

時代が大きく変化する中で、アクチュアリーは、自分がどのように社会に貢献できるのかということを常に意識し、理屈をこねる評論家ではなく、実務的なソリューションを提供する専門家であるべきだと思います。

アクチュアリーとしての“今後の目標”は何ですか。

専門分野を超えた働きができるアクチュアリーを目指し、今後も、グローバルな舞台で活躍する社内アクチュアリーたちや会計士などの専門家集団と知識共有や人的交流を図り、学びのスピードを上げていきたいと思います。

また、当社は、アクチュアリー部門の機能を、保険分野以外の各業界に対しても横断的にソリューションを提供するものと位置付けています。監査では全産業をカバーしているという強みも活かして、業界の枠にとらわれないサービス展開を考えていきたいですね。

アクチュアリーを目指す方へのメッセージ

アクチュアリーに対して「数学の勉強ができればなれる仕事」「資格も取れて、手に職を持てる安定した仕事」といったイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。実際、とてもプロフェッショナルな仕事ですし、数学が好きな方には魅力的だと思います。ただ、それよりも覚えておいていただきたいのは、スキルや能力は「社会で活かせてなんぼ」ということです。
たとえば、年次が上がり、役割も増えれば、仕事を一緒に進めるメンバーも多岐にわたってきます。メンバーときちんとコミュニケーションできなければ、せっかく身につけた専門的なスキルも役に立ちません。

また、アクチュアリーに限らず、社会には「やりたい仕事だけやっていればいい」という環境はほとんどありません。与えられた仕事がどれほど重要か、そのときはわからなくても、とにかく全力でやってみてください。その経験が点から線へ、さらには面へとつながりますから、腐らず粘り強く取り組めば、きっと明るい未来が待っているはずです。
私の周りでも、優秀な方であるほど日々の研鑽は欠かさないものです。資格を取ることをゴールとせずに、新たな出発点として挑戦を続けていってください。

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