Theme 4理想のアクチュアリー像

貪欲に学び続け、
人とのつながりを大切に

司会

次のテーマは、理想のアクチュアリー像です。皆さんにとっての「アクチュアリーとは」という定義があれば、それもお話しいただけますか。

藤井

アクチュアリーは「保険数理の専門職」と言われますが、私は、数理的な側面から物事を分析し理解するプロフェッショナルだと思っています。加えて、プロだけの閉じた世界にいるのではなく、社会と密に接する存在。そう考えているので、理想のアクチュアリーというのは、保険数理のプロとして一流で、さらに、プロでない人にもわかる形でアウトプットできる人かなと思っています。

黒田

私も、アクチュアリーではない人に伝えることが重要だと思っています。保険のモデル特性などプロにしかわからない深いところまで理解したうえで、アクチュアリーではない人に、伝えるべきメッセージが伝わるように工夫する、そんなコミュニケーションを心がけています。

中矢

私は、アクチュアリーとして専門性を高めていくためにも、意欲的に学び続けることが大切かなと思います。

黒田

アクチュアリーの仕事って、世の中と密接ですよね。世の中が変化すれば、扱うリスクも変わる。だから進化のスピードに合わせて学び続けないといけません。

中矢

その通りですね。年金分野でも、この先5年後、10年後には、専門家として求められる知識は変わっているかもしれません。

加藤

扱うリスクが広がっている中、その定量化をもっと貪欲にやっていけるアクチュアリーというのは私の一つの理想像でもあります。

黒田

年齢や立場にこだわらず、貪欲に学ぶ姿勢は大事だと思います。データサイエンスなどの新しい分野だと、新入社員に聞いたほうが早いこともたくさんありますからね。

中矢

学び続けることは本当に大切。さらに向井さんは、ご自身の知見をブログなどで発信し続けておられますよね。本当にすごいことだと思います。ご本人を前にして申し上げるのははばかられますが、私の理想のアクチュアリーです。

向井

それは恐れ多いです。

加藤

向井さんの理想のアクチュアリー像とは?

向井

私の考えは、アクチュアリーとして計算や分析の実務で正確なものを作るのが第一段階。そのうえで、皆さんがおっしゃったように、難しいことをわかりやすく伝えることが重要だと思います。さらに、もう一段階上のステージとして、通常のアクチュアリー業務に留まらず、お客様の立場で課題解決していく、新しい価値や仕事を開拓するようなところまで業務を広げていくのも一つの理想像です。

西村

すごく積極的ですばらしいですね。アクチュアリーの仕事は、保険料を算定したり事業計画を策定したりするなど、不確実な将来を予測することが求められるものです。データがないからわからないと単に慎重になりすぎることなく、アクチュアリーとしての知見を活かして、経営を主導していけるのが理想ですね。

テーマ

参加者

司会

御子神 弘久
御子神 弘久さん

生保アクチュアリー

黒田 涼子
黒田 涼子さん
西村 泰介
西村 泰介さん

損保アクチュアリー

加藤 奈々
加藤 奈々さん
藤井 毅朗
藤井 毅朗さん

年金アクチュアリー

中矢 徹
中矢 徹さん
向井 洋平
向井 洋平さん