会長挨拶バックナンバー

2009年度

平成21年度年次大会におけるIAA会長挨拶より

日本アクチュアリー会会長 日笠 克巳

2009年1月1日より、1年の任期で国際アクチュアリー会(IAA)会長職に就いております。IAA会長として本大会にお招きいただき、皆様にお祝いの言葉を申し上げる機会をいただきましたことは、大変光栄かつ喜ばしく感じておるところでございます。

【IAAの活動】

われわれアクチュアリーを巡る世界にも、グローバリゼーションの一段と高い波が押し寄せてきているわけでありますが、IAAでは、国際会計基準審議会-IASB-、保険監督者国際機構-IAIS-、国際社会保障協会-ISSA-、年金監督者国際機構-IOPS-といったような国際的な機関に対して、世界各国のアクチュアリー会を代表してアクチュアリアルな面での技術協力・意見の提言を行っていくことが主要な活動の一つとなっております。
今さら申すまでもありませんが、保険・年金・社会保障制度の諸課題に関しましては、アクチュアリアルな観点からの理論的裏付けや合理的な判断がない限り、健全な解決を図ることはできません。その点で、IAAは保険・年金・社会保障制度のグローバルな発展に対し、多大な貢献を果たしているものと自負しております。

【IAAにおける日本の貢献】

皆様の中には、IAAのような国際組織では、欧米の大国が中心となって物事が動いているのではないか、と考える方もおられるものと思います。実際に、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツなどといった国々は、IAA活動に多大な貢献を行っていることは事実ではあります。しかしながら、IAAが目指すのは、大国・先進国だけでなく、小国や現在は保険・年金等の制度が未発達の国々も含めて、世界のどの国においても、アクチュアリーが一定以上の品質を保持し、世間から認められ、広い分野で活躍をしている、という状態です。そのため、IAAでは、あらゆる国からの声やIAA活動への貢献を歓迎しております。
日本はもちろん世界でも有数の先進国であり、日本のアクチュアリーは従前より、積極的にIAA活動への貢献を果たしてきております。IAAでは年2回定例の会議を行っておりますが、日本アクチュアリー会では、毎回数名の会員を派遣しておりますし、日本年金数理人会からの派遣委員と合わせますと、毎回10名を超える日本のアクチュアリーが会議に参加し、多岐に渡る活躍を見せております。中には、委員会の委員長や副委員長といった、リーダーシップの任に就いている方もおられます。そういう点で、私もIAAの役員の一員として、大変誇りに感じておるところではあるのですが、一方で日本のアクチュアリーの有能さ、見識の高さを良く知る身としては、もう一段現状のレベルを超えた活躍をするポテンシャルも十分あるのではないかとも感じております。
IAAで通常使用される言語は英語ですので、日本人には言葉の面でのハンデがあるのは事実であると思いますが、一方で他国からのアクチュアリーの中には、必ずしも英語が堪能であるとは見受けられないにも関わらず、積極的に発言を重ね、少しでもIAA活動に関与していこう、貢献していこうという気概を見せる人たちも数多くいます。繰り返しになりますが、IAAではそういう人たちの声は大変貴重であり、大事にしていかなければいかないと考えております。ぜひ、日本のアクチュアリーもさらに声を大きくして、IAAに日本からの声をもっと届かせるようにしていただきたいと思います。

【おわりに】

最後になりますが、将来、第二・第三のIAA会長が日本から輩出されるよう、お祈り申し上げ、私のご挨拶の結びとさせていただきます。ありがとうございました。

2008年度

日本アクチュアリー会会長 日笠 克巳

早いもので、平成19年4月に日本アクチュアリー会の理事長を退任し、会長に就任して以来、9ヶ月が経過しました。
その間、東アジアアクチュアリー会議(EAAC)の東京大会が開催され、参加人数は600名、提出論文数は50を超えるという盛況な会議となり、お蔭様をもちまして、大きな成功を収めて幕を閉じることができました。
会員の皆様より暖かいご支援と熱心なご協力をいただきましたこと、深く感謝申し上げます。

私個人といたしましては、平成20年1月1日より3年間にわたり、国際アクチュアリー会(IAA)の役員を務めることになり、大変光栄に感じますとともに、その重責に身の引き締まる思いでおります。
私がこのような大役を仰せつかりましたのも、先輩方の長年にわたる国際貢献が結実した証に他ならず、諸先輩の名を汚すことのないよう、微力ではございますが、国際活動に全力を尽くし、日本のアクチュアリーの国際的な存在感の一層の向上を図りたいと考えております。

当会の活動につきましては、引き続き五十嵐理事長が強力なリーダーシップを発揮され、変化の激しい時代に対応した意欲的な舵取りを見せておられます。
会員の皆様におかれましては、ひとりひとりが絶えず能力を磨き、それぞれの職場・所属において存分の活躍をされることにより、当会の活動を一段と盛り上げていただきますよう、お願い申し上げます。

2007年度

会長就任のごあいさつより

日本アクチュアリー会会長 日笠 克巳

このたび、日本アクチュアリー会の理事長を退任し、平成19年4月1日をもちまして会長に就任いたしました。
平成16年7月に理事長に就任して以来、2年9カ月の期間にわたり、会内外の皆様には暖かいご支援とご協力を賜りまして、心より感謝申しあげます。
特に業務ご多忙な中、当会の委員会等の諸活動に熱心に取り組んでこられた会員の皆様方には、改めましてそのご努力に敬意を払いますとともに、今後とも一層のご活躍を期待してやみません。

さて、後任の理事長には五十嵐勉氏が就任されました。
時代環境の変化が急な中、日本アクチュアリー会もさまざまな課題を抱えておりますが、五十嵐理事長はその強固な指導力と柔軟な発想で必ず当会を一段と高いレベルに導いていかれるものと強く期待しております。
皆様方には、引き続き五十嵐理事長をお引き立ていただきますよう、よろしくお願い申しあげます。

私は会長に就任し、当会の国際活動の一端を担うことによって、微力ながら五十嵐理事長に協力してまいる所存です。
特に、当面はEAAC組織委員会の委員長として、本年10月のEAAC東京大会の成功に注力してまいりたいと存じます。
本大会は平成11年の当会百周年記念大会以来の、日本での本格的な国際会議となりますので、多くの会員の皆様が積極的に参加されることを期待しております。

最後になりますが、皆様の今後のますますのご活躍とご発展をお祈り申しあげまして、ご挨拶の結びとさせていただきます。

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