グローバルな環境と先進的な業務。
学び続ける姿勢があれば、フィールドは無限に広がっていく。
その他の分野
鈴田 雅也
監査法人 第2金融部
理工学部 数学科
グローバルな環境と先進的な業務。
学び続ける姿勢があれば、フィールドは無限に広がっていく。
仕事内容
アクチュアリー部門の責任者として、買収監査やリスク管理のアドバイザリー業務も担う
ある監査法人のアクチュアリー部門の責任者として従事しています。生命保険会社の監査はもとより、グローバルな生命・損害保険会社のデューディリジェンス(買収監査)、またIFRS導入やERM(統合的リスク管理)を含むリスク管理についてのアドバイザリー業務などに携わっています。
緻密さや正確性が求められる業務ではありますが、私はもともと大雑把な性格で、アクチュアリーの割には“一般人感覚”だと自認しています。その感覚を存分に活用し、アクチュアリーでないお客様に対しては、相手の目線で理解しやすい説明をするよう心がけています。また、常に論理的に思考し、大局的に物事を判断することも大切にしています。
仕事の魅力
シビアな局面があってもいい仕事をしていれば、やがて信頼が積み重なっていく
アクチュアリーは専門性の高い仕事ですから、いい仕事をすることが、アクチュアリー全体の評価向上につながります。前々職で勤務していた生命保険会社では、企画部門初の若手アクチュアリーだったのですが、配属が決まったとき、当時の上司から「鈴田のあとに後輩アクチュアリーが配属されたら、君が評価されたということだから」と言われました。今では後輩アクチュアリーが当たり前のように配属されるようになり、「ちょっとは足跡を残せたかな」と思っています。
また、その後はアクチュアリーコンサル会社、監査法人と経験し、現在ではグローバルな環境に身を置いています。このように、専門性の高い最先端の業務を経験できることも魅力です。
もちろん、困難な点もあります。たとえば、監査においては、お客様の望む方向が、必ずしも監査法人として許容できないようなケースも出てきます。この場合は特にお客様とのコミュニケーションが重要になりますが、シビアな局面においてもブレない判断ができれば、着実に信頼関係を積み上げていくことができます。また、アドバイザリー業務では名指しで依頼をいただくこともあります。このような業務が成功裏に終わった時も、お客様との信頼関係の重要性を再認識します。年輪のように重ねてきた信頼関係の深さを実感するときは、いつも誇らしく思う反面、さらに育てていかねばならないのだと身が引き締まります。
今後の目標
アクチュアリー間の知識共有や交流を通じて学びのスピードを上げ、専門分野を超えた働きができる人材となる
専門分野を超えた働きができるアクチュアリーを目指し、今後も、グローバルな舞台で活躍する社内アクチュアリーたちや会計士などの専門家集団と知識共有や人的交流を図り、学びのスピードを上げていきたいと思います。
また、当社は、アクチュアリー部門の機能を、保険分野以外の各業界に対しても横断的にソリューションを提供するものと位置付けています。監査では全産業をカバーしているという強みも活かして、業界の枠にとらわれないサービス展開を考えていきたいですね。
なにしろ、技術は日々進歩しています。これまでアクチュアリーのスタンダードだった生保、損保、年金の3分野以外に、全く違った分野の専門家との競争だって始まるかもしれません。それは例えば、AIを研究するデータサイエンティストや、AIロボット自身なのかもしれない。そうした変化の中でも、自分がどのように社会に貢献できるのかということを常に意識し、理屈をこねる評論家ではなく、実務的なソリューションを提供する専門家でありたいと考えています。
Message
メッセージ
アクチュアリーに対して「数学の勉強ができればなれる仕事」「資格も取れて、手に職を持てる安定した仕事」といったイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。実際、とてもプロフェッショナルな仕事ですし、数学が好きな方には魅力的だと思います。ただ、それよりも覚えておいていただきたいのは、スキルや能力は「社会で活かせてなんぼ」ということです。
たとえば、年次が上がり、役割も増えれば、仕事を一緒に進めるメンバーも多岐にわたってきます。メンバーときちんとコミュニケーションできなければ、せっかく身につけた専門的なスキルも役に立ちません。
また、アクチュアリーに限らず、社会には「やりたい仕事だけやっていればいい」という環境はほとんどありません。与えられた仕事がどれほど重要か、そのときはわからなくても、とにかく全力でやってみてください。その経験が点から線へ、さらには面へとつながりますから、腐らず粘り強く取り組めば、きっと明るい未来が待っているはずです。
私の周りでも、優秀な方であるほど日々の研鑽は欠かさないものです。資格を取ることをゴールとせずに、新たな出発点として挑戦を続けていってください