2025年度

理事長就任のごあいさつ
日本アクチュアリー会理事長 渡部 仁
4月1日付で理事長に就任いたしました渡部です。よろしくお願い申し上げます。
理事長就任にあたり一言ご挨拶申し上げます。
近年、我が国の経済や社会は変化の只中にあり、少子高齢化、持続可能な社会の構築、デジタルトランスフォーメーションの推進など、取り巻く環境が変化しています。このような状況下で、アクチュアリーとしての専門知識と倫理観を活かし、我々の職務が社会により一層の貢献を果たすべく努力することが求められています。
このような中、上田前理事長におかれましては、国際的な規制・基準への対応として「保険負債の検証責任者の適格性に関するフレームワーク案」(以下、フレームワーク案)などを作成、また、アクチュアリーに求められる専門的知識・技術が高度化する中で「教育シラバス」を制定するなど、当会ならびに当会会員の発展に多大な貢献をしてこられたことに、改めて感謝の意を表したいと思います。
2025年度は、経済価値ベースの健全性規制が導入されます。夏頃に予定されております法令等の公布と合わせ、フレームワーク案などの最終化を目指して参ります。また、2026年に開催予定のICA(国際アクチュアリー会議)のホスト国として本格的な準備を推進して参ります。更には、持続的に成長する組織として、データサイエンス技術等の調査・研究の継続・推進、気候関連リスク・サステナビリティ、AIに関する基礎調査・研究の推進などに取り組んで参ります。
冒頭に述べたように、環境が変化する中においては、それぞれのアクチュアリーが自分自身の知識・技能の向上に努め、プロフェッショナリズムを高めていくことが、従来にも増して大切です。アクチュアリーが社会の負託に応える専門職として着実に前進するため、教育制度の整備・充実を図り、そして会員の皆様方が、互いに協力・切礎琢磨し合う場を提供することで、当会全体の活力の向上に繋げて参りたいと存じます。
当会の運営は、委員会や部会等による活動が中心となりますが、その根幹をなしているのは会員の皆様の積極的なボランティアリズムであります。当会およびアクチュアリー学の発展、アクチュアリーのブランド向上にむけて、会員皆様のご理解とご支援をいただきながら、全力を尽くす所存であります。