アクチュアリー試験に合格した会員に、試験勉強の振り返りや、アクチュアリーを目指す方へのメッセージを伺いました。

小坂 智啓さん
Tomohiro Kosaka監査法人
理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻

アクチュアリー資格試験を振り返ってお気持ちをお聞かせください。
思ったより時間がかかったなという気持ちです。
ただ、そうして苦労した経験も、今では日々の業務で役立っている気がしています。
特に近年、法人内の他部門の方やクライアントと接する際に感じることとして、アクチュアリーの名前を出すと「難しい資格なんですよね」という反応が返ってくることが増えているように思います。
難関資格として認知度が高まっていることは喜ばしい一方、私の言動を見て「アクチュアリーって、そんなもんなんだ…」とがっかりされたくないというプレッシャーも感じています。
そうした場面で、試験を通じて身に着けた専門知識や課題解決能力は、私にとっては自分が専門家らしく振る舞うための自信の根拠になっています。
資格を取得することそのものも当然重要なことですが、それ以上にその過程で得た学びや経験の方が、業務やその後の人生において役に立つのかなと、試験が終わった今ではそのように感じています。

アクチュアリー資格試験について、これから受験される方へメッセージをお願いします。
資格に興味を持っていただいた方にはぜひ、
「資格を取得してどういう分野で活動したいか?」
「資格を取得してどういう働き方をしたいか?」
といった問いかけに、自分なりの答えを持って試験に臨んでほしいと思っています。
というのも、この試験は一定の学習をすれば合格できる試験だとは思いますが、逆に言うとそれなりの時間を確保する必要はある試験です。せっかく同じ時間を使うのであれば、資格取得に使う時間や資格取得を通じて得た知識・経験が皆さまの将来にとって有意義なものであってほしいと思います。
そのためには、何か目標を持って「今学習していることが将来役に立つ」と思って学習をする方が、試験に対するモチベーションは上がるのではないでしょうか。
幸い、アクチュアリーの資格取得者の活動領域は本当に幅広です。
例えば私は年金分野のアクチュアリーですが、年金分野の業務だけをみても、信託銀行等で複雑な計算実務を多くこなす方、コンサルティングファームでコンサルタントとしてクライアントと相対する方、あるいは海外業務を中心に活躍されている方等、様々な業務に携わる方がいます。
もし機会があれば、実際に資格を取得された諸先輩方と会話をしてみてください。きっと皆さまなりの目指す将来の姿が見つかるのではないかと思います。
近い将来、皆さまとご一緒にアクチュアリーとして働けることを楽しみにしています。

佐相 也実さん
Narumi Saso生命保険会社
理学研究科 数学・数理解析専攻

アクチュアリー資格試験を振り返って、お気持ちをお聞かせください
アクチュアリー資格試験に追われる日々だったので、まずは無事終えることができたことに心から安堵しております。
私にとっては非常に難しく、想像以上に挑戦的なものでしたが、職場の上司・先輩方のサポートや、応援してくれる家族・友人の支えのおかげで合格を手にすることができ、周囲への感謝の気持ちでいっぱいです。
試験に合格したことで、単に資格を得た以上に、自己成長と達成感をもたらし、自信につながったと思っています。この経験を、今後のキャリアに活かしていきたいと思っています。

アクチュアリー資格試験について、これから受験される方へメッセージをお願いします。
アクチュアリー資格試験は、膨大な専門知識と幅広い実務能力が求められるため、きわめて難易度が高いと思います。そのため、合格には強い意志と計画性が必要になりますが、その分だけ得られるものも多く、特に女性にとっては、ライフスタイルの変化を恐れることなく、キャリアの発展を後押ししてくれるものだと感じています。
合格するためには「勉強環境を確保すること」と「最後まで諦めないこと」が最も重要だと思っていますので、よろしければ参考にしてください。
勉強環境を確保すること
自分自身、業務の繁忙期などに勉強のペースを崩すことがあり、苦労しました。その対策として、始業前や帰宅後など、仕事やプライベートのスケジュールに左右されない勉強の習慣をつけることや、集中できる環境を確保することに努めました。また、職場や学生時代の仲間と勉強することで、試験勉強に向き合うことが当たり前の環境をつくることも有用だったと思います。
最後まで諦めないこと
合格するためには、長期間にわたる継続的な努力が必要になると思っています。試験範囲は広く、内容も高度であり、途中で挫折してしまいそうになることや、勉強の進み具合に不安を感じることが何度もありました。しかし、どんなに難しく感じても、そこで立ち止まらず、決して諦めないことが大切だと思います。目標に対する日々の進捗確認や、同じようなレベルの問題に対する自分の正答率を把握し、自分がどれだけ成長しているかを実感できるよう管理することでモチベーションの維持に努めました。時には休息を取り、心身のバランスを保ちつつ、最後まで諦めずに挑戦し続けることで、必ず道がひらけると思います。
試験勉強は非常に大変だと思いますが、それ以上に価値ある資格試験だと思います。自分を信じて、前向きに取り組んでください。成功を心から祈っています。

山崎 裕太郎さん
Yutaro Yamazaki損害保険会社
工学系研究科 航空宇宙工学専攻

アクチュアリー資格試験を振り返って、お気持ちをお聞かせください
全科目合格できたことを本当に嬉しく思います。受験に際して支えてくださった上司や同僚、家族に大変感謝しています。
業務と試験勉強の両立は当初思っていたより遥かに難しく、合格への道筋が見えなく感じることもありましたが、周囲のサポートのおかげで何とか乗り越えることができました。
無事正会員になることができた一方、保険実務を行う上での知識・経験はまだまだ足りないと感じることばかりであり、引き続き日々の業務に邁進する所存です。

アクチュアリー資格試験について、これから受験される方へメッセージをお願いします。
これから受験される方へのメッセージとして、受験勉強をしていた当時の自分にかけたい言葉を記載します。試験に合格したいというモチベーションを持つことと、十分な勉強時間を確保することが合格への必要条件だと思いますが、私がもう一度受験するのであれば、さらに以下の2点を意識します。
① 勉強とそれ以外の適度なバランスを掴む
この試験を受ける多くの方が、入学試験や他の資格試験を経験していると思いますが、業務と並行して試験勉強を行うのは初めてだと思います。私は業務・試験勉強・リフレッシュのバランスが掴めず、勉強時間は確保できても、気分が乗らず勉強に手がつかなくなることがありました。自分にとって適度だと思うバランスを掴んだうえで、試験勉強に臨むことをおすすめします。
② 一緒に勉強する仲間を見つける
特に二次試験では、問いに対して幅広い視点から回答することが求められます。例えば過去問の大問の回答案について他の方とディスカッションすることで、自分では気づかなかった視点を知ることができます。複数人で取り組むことによる知識面でのメリットは大きく、何より一緒に勉強する仲間がいることで得られる励みは大きいと思います。
アクチュアリー試験は、試験そのものの難易度はもちろん、社会人として業務に励みながら勉強することが求められるため、大変厳しい試験だと思いますが、合格したときに得られるものは確かにあります。ぜひ自分のペースで合格を目指し頑張ってください。

市川 汐直さん
Sena Ichikawa損害保険会社
経済学研究科 総合経済学専攻

アクチュアリー資格試験を振り返って、お気持ちをお聞かせください
まず、社内勉強会や試験前休暇など手厚くサポートいただいた会社の上司・先輩方に心より感謝申し上げます。また、同僚の存在もありがたく、彼らと試験合格に向け切磋琢磨したことでモチベーションを高く保つことができました。
基礎科目の合格に向けてコツコツと勉強をしてきましたが、無事に準会員となることができ、努力が報われたことを嬉しく思うと同時に安堵しております。
専門科目合格のために必要な知識は膨大であり、求められる問題解決能力も高いものがありますが、少しでも早く正会員となり活躍できるよう引き続き勉強に励んでいく所存です。

アクチュアリー資格試験について、これから受験される方へメッセージをお願いします。
基礎科目の合格には多くの勉強量が必要であることから「継続的に勉強すること」が大切だと思います。
5科目合格するために必要な知識量はかなりのものがあり、更に暗記だけではなく考える力も必要です。加えて、合格するために試験時間内で解かなければならない問題の量は多いため、それらに対応できるよう問題演習を十分に行うことが特に重要です。本番の試験に向けてどう勉強を進めていくか、長いスパンの計画を立て、過去問の演習等を通して自らが立てた計画の見直しを行いつつ、勉強を進めていくことが合格のためのポイントだと思います。
また、長期的な計画に沿って継続的に勉強するためには生活習慣を整え、健康的に過ごすことも重要だと思います。思うように勉強が進まないことで焦って一気に詰め込もうとした結果、体調を崩してしまっては元も子もないですし、モチベーションの低下にもつながってしまいます。
アクチュアリー試験は合格のために時間とエネルギーを多く必要とする試験ですが、コツコツと努力を積み重ねていけば合格できる試験である上、勉強を通して多くのことが得られると思います。合格に向かって一緒に頑張りましょう。

稲田 ゆりさん
Yuri Inada生命保険会社
工学院 経営工学系

アクチュアリー資格試験を振り返って、お気持ちをお聞かせください
試験の手ごたえがそこまでなく、合格しているか不安だったため、無事に準会員になれたことを大変嬉しく思います。また、準会員になるまでにサポートしていただいた周囲の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
現在は二次試験に向けて日々勉強を進めております。教科書や法令の文言を暗記する必要がある二次試験の勉強には、計算等がメインとなる一次試験とはまた違った難しさを感じております。一日でも早く正会員になれるよう、気を引き締めて継続的に勉強に励みます。

アクチュアリー資格試験について、これから受験される方へメッセージをお願いします。
アクチュアリー試験(一次試験5科目)の勉強を進めるにあたって、一番苦労したのはモチベーションを保つことでした。特に社会人二年目の受験では、残り一科目ということもあり、なかなか焦りを感じることができず勉強が進みませんでした。そんな中でも、「アクチュアリー試験までにどういった勉強をしたいか」や「今のペースで達成できるのか」を意識して勉強を進めることによって、何とか合格できる水準まで到達できたのだと思います。どうしてもやる気が出ないときは、自分が今週どれくらい頑張れていたかを知ることができるように、勉強時間・勉強量を可視化することを心掛けていました。
また、勉強面では、問題ごとの難易度の差がかなり大きいこともあり、簡単な問題を落とさないことに努めていました。特に正誤問題は教科書を読み込むことでほぼ確実に正解できるので、対策をしっかりしておくといいと思います。
一次試験が終わってもまだ二次試験が残っており、アクチュアリー正会員への道のりは長いなと日々痛感しております。これから受験される方も、一緒に頑張りましょう!

髙梨 弘寧さん
Hirone Takanashi信託銀行
経済学部 経済学科

アクチュアリー資格試験を振り返って、お気持ちをお聞かせください
まず、試験に向けての面談や試験休暇等でご支援をいただいた皆様に御礼を申し上げます。日々の業務をこなしながらの試験勉強は決して簡単なものではありませんでしたが、諸先輩方の温かいご指導やアドバイス、そして試験勉強に集中できる環境を整えていただいたことが合格につながったと感じております。
今回の合格は、多くの支えがあってこその結果だと感じております。次のステップである2次試験に向けても、一層の努力を重ね、正会員ひいてはお客様に信用される年金数理人を目指して精進してまいります。

アクチュアリー資格試験について、これから受験される方へメッセージをお願いします。
1次試験は試験範囲が広範であり難易度が高い試験ですが、「適切な勉強計画の策定」と「モチベーション維持」を行うことが出来れば、乗り越えられないものではありません。試験を受ける方の多くは日々の業務に追われる社会人や研究に勤しむ学生の方と思いますが、忙しい中でも勉強時間を捻出し試験勉強を継続することが大切と思います。
アクチュアリー試験は年1回しかチャレンジすることが出来ません。その数少ないチャンスで1科目でも多く合格をつかみ取るためには試験日から逆算して、各科目各分野をいつまでに仕上げるかの計画を立てることは非常に有用です。計画を立ててみると意外と試験日まで余裕がないことに気づき、ある程度危機感をもって勉強に取り組めたと感じております。
また、勉強を継続するためにはモチベーションの維持も欠かせません。私の場合、業務にあまり関係のない科目を勉強する意味が見いだせず、ある科目の勉強を一時期怠ってしまったことがあります。その際には、上司や先輩方との会話の中でキャリアや将来像を明確にして、アクチュアリーを目指した初心に立ち返っていました。
正会員までの道のりは非常に長いですが、目標に向かって一緒に頑張りましょう!