アクチュアリーという仕事の魅力

年金分野

松本 真由

銀行 信託年金営業部 コンサルティング室
理学研究科 数学専攻

退職金や年金を受け取る人たちのことを常に意識しながら、
数理の知識をフルに活用し、より魅力のある制度を実現する。

仕事内容

退職給付債務などを数理計算し、お客さまやパートナーにわかりやすく伝える

企業は将来の従業員への退職金や年金制度の支払額に見合った債務を財務諸表に計上しなければいけません。その数値のもととなる退職給付債務を、諸条件を考慮しながら、足元のデータをもとに数理計算するのが私の業務です。また、確定給付企業年金制度の財政を継続して検証する指定年金数理人として、制度を実施する企業のご担当者さまに財政状況や掛金計算結果を説明することもあります。

数字を相手にした仕事とはいえ、その先には退職金や年金を受け取る“人”がいることを常に意識しています。また、お客さまや仕事上のパートナーに対して専門的な内容をどう理解してもらうかにも気を付けているほか、言葉に表れていない相手の疑問や不安も想像し、補足するようにしています。

仕事の魅力

専門知識を常にアップデートすることが求められる、やりがいのある仕事

アクチュアリーには、高度な専門知識や数理的感覚が必要になります。加えて、法令や制度は随時改正されるため、常に知識をアップデートしておかなければなりません。そのためルーティンでこなせる業務ではありませんが、非常にやりがいのある仕事だと感じています。加えて、退職給付制度の設計や運営方法を改善し、従業員や受給者の方にとって意義のある制度を長く続けることに貢献できる仕事です。

また、仕事を通じて出会うさまざまな人とコミュニケーションを深めていけることも魅力です。もともと、数学が好きで大学でも専攻していましたが、学んだことを活かしながら、数学とは関連しない知識を得ることも多く、興味深いです。

今後の目標

アクチュアリーにしかできないアドバイスによって“頼られる存在”になりたい

アクチュアリーの主な業務である数理計算は、引き続き主な業務ではあるものの、計算ソフトなどの改善によって効率化されてきたなと感じます。今後は、どうやってテクノロジーの進歩によって浮いた時間を「アクチュアリーにしかできない」ことに使っていくかを考えていかなければならないと思っています。

アクチュアリーの強みは、企業担当者をはじめとするお客さまに対して“数理的な感覚”を活かしたアドバイスができることだと考えています。これからも研鑽を積み、お客さまにとって頼りになるアクチュアリーを目指していきたいです。

Message

メッセージ

これまで十年以上年金アクチュアリーが関わる仕事をやってきましたが、この仕事に就く前に想像していたよりもずっと周辺知識が多いことに驚いています。まだまだ学ぶことがあり、自分にもまだまだ“伸びしろ”があるなと感じています。また、資格職であることも、ライフステージの変化が仕事に影響の出やすい女性にとってメリットだと思っています。目指している間は資格試験に目が行きがちですが、資格取得後にどのような仕事がしたいかをイメージしてみるとよりよいのではないでしょうか。