統計とロジックを組み合わせ、将来を予測する醍醐味。
これからの時代こそ、アクチュアリーの真価が活きる。
その他の分野
藤澤 陽介
再保険会社
プロダクトデベロップメント
アンドリサーチ
理学部 数学科
Department of Statistics and
Actuarial Science (Master)
統計とロジックを組み合わせ、将来を予測する醍醐味。
これからの時代こそ、アクチュアリーの真価が活きる。
仕事内容
「保険会社にとっての保険会社」の一員として、商品開発や最保険のプライシングを担う
私が勤めている「再保険会社」は、保険会社のリスクの一部を引き受ける、いわば保険会社にとっての保険会社です。現在は、お客様である保険会社と一緒に商品を開発するほか、再保険のプライシングを行う仕事をしています。
この業務において、お客様の多くはアクチュアリーであり、打ち合わせでも専門的な話題が多くなります。ですから、常日頃から関連の最新情報を把握するとともに、実務で利用可能な統計手法などを習得するようにしています。いくつになっても、新たなことを学び続ける知的好奇心を持ち続けたいですね。
仕事の魅力
統計とロジックを組み合わせた将来予測と、それを第三者に説明する難しさにやり甲斐を覚える
商品開発やプライシングにおいては、将来のリスクを予測することが必要ですが、その根拠として利用可能な統計は必ずしも多くありません。さまざまな統計を組み合わせて予測のための前提条件を定めますが、それがリスクを過小評価、もしくは過大評価するものであっては問題です。また、恣意的なものでなく、ロジカルに説明できるものであることも重要です。
こうした条件下で統計とロジックを組み合わせ、第三者にも説明可能な将来予測のストーリーをつくることが仕事の醍醐味だと思っています。
また、アクチュアリーという仕事に共通する魅力として、グローバルに活躍できることも挙げられます。アクチュアリーが用いる数理的手法は万国共通ですから、一定の英語力があれば、外国人のアクチュアリーとも一緒に仕事をすることができます。国際会議も頻繁に開催されていますから、望めばその席上で論文発表をする機会もあります。かく言う私も留学経験者ですが、せっかく磨いた英語力を活かしたいという方にはうってつけの仕事だと思います。
今後の目標
技術革新などへの対応に向けて、経営的な視点を持つとともに、学術機関などとの情報交換を続ける
生命保険や年金は、公的な社会保障制度を補完するために、先人が培ってきたシステムです。これらのシステムの持続可能性を、官民一体となって後世につなげていかなければなりません。そこで活きるのがアクチュアリーのスキルだと思っています。団塊の世代が老後を迎え、超高齢期に入ってきた今は、アクチュアリーにとっては専門職としての真価を発揮するチャンスかもしれません。
こうしたなかで私が目標としたいことが二つあります。一つは、経営的な視点を持つことです。日本語ではリスクマネジメントをリスク管理と訳すことが多いのですが、マネジメントとは経営を意味する言葉でもありますから、経営の視点を持たずして、必要なスキルを習得することはできないと思っています。
もう一つは、アカデミックな世界と継続的に対話していくことです。技術革新のペースが加速し続け、新たな統計的手法の開発などが求められる中、関連の学術機関などとの情報交換がこれからさらに重要になっていくと思います。
Message
メッセージ
アクチュアリーとして認定されるまでの道のりも決して楽ではありませんが、認定されたあとも知的好奇心を持ち続け、学び続けることが大事です。数学が好きな人は本質的に知的好奇心の強い人が多いと思いますから、社会人になってもそれを忘れないようにしてください。アクチュアリーの目の前には、生涯かけても学びきれない、広く、そして深い世界が広がっています。