例会

2013年度 第1回例会のご案内

2013年5月13日

テーマ
「The Use of Annual Mileage as a Rating Variable」

自動車保険料率を考えるにあたり、年間走行距離に応じた保険料とするのは一つの理想形と考えられる。GPSや車載コンピュータ等の技術進展、また、こうした新技術導入コストの低下を考えれば、「走った分に応じて支払う」保険の導入を考えて然るべきと思われる。
台湾の大きな保険会社のデータで、年間走行距離を料率変数として導入が可能かを調査した。 その結果、年間走行距離は、その他多くの変数(ボーナスマラス制度も含む)と比較して、過失による事故件数予測に極めて有効であることが分かった。 ただし、年間走行距離をボーナスマラス制度の代わりとすべきではなく、むしろ、お互いが補完しあう関係にあるので、この両指標を軸にして、必要に応じて他の料率ファクター/変数を追加すべきであろう。 台湾では交通渋滞が多い、ボーナス・マラス制度が緩やかである、自賠責が限定的といった、固有の事情があるにせよ、結果は確かな予測として、他の国に適用可能である。

日時
2013年6月7日(金) 15:00 - 17:00
会場
TKP赤坂ツインタワーカンファレンスセンター(ホール7A)
講師
Jean Lemaire博士

Jean Lemaire博士は米国ペンシルバニア大学ウォートン・スクールでアクチュアリアルサイエンスと保険の教鞭をとられています。 Free University of Brusselsで数学の学士、アクチュアリアルサイエンスの修士、数学の博士号をとられました。 ペンシルバニア大学の前は、Brussels Universityでアクチュアリアルサイエンスを教え、ブルッセルの保険会社"La Prevoyance Sociale,"では生命保険、損害保険と再保険の部門を管理していました。
博士は100を超えるゲーム理論やアクチュアリアルサイエンスの調査結果を発表し、50を超える国で保険規制やアクチュアリアルサイエンスについて講演されています。 博士の本は、フランス、スペイン、マンダリン、ロシア、日本や韓国で翻訳されています。
博士は、ASTINの名誉会長で前会長兼財務担当であられました。 博士は15年にわたりIAAブルチィンの編集長でもあられました。 博士は英国の名誉正会員で、フランス、スイス、イタリアのアクチュアリー会の名誉会員であられます。また、SOAの会員でもあられます。