例会

2007年度 第8回例会のご案内

2008年3月7日

テーマ
「数学イノベーションへの展開に向けて - 科学技術政策の視点から -」

第3期科学技術基本計画(2006-2010年)の策定に資するため、科学技術政策研究所は2003年頃から第2期科学技術基本計画(2001-2005年)の達成効果の評価のための調査などを実施してきた。 この中で、諸外国と比べて「忘れられた」日本の数学研究の状況が分かってきた。
米国やドイツではここ10~20年間ほどで数学研究に対して積極的な政策を実施している。 フランスでは数学の社会的地位が高い。 このように、既に欧米諸国では数学研究と諸科学・産業技術との連携を重視し、数学研究全般を推進している。 その背景には、諸科学や産業技術の根本部分にある数理的な思考を大切にしなければ、先端科学の世界でも結局は遅れをとってしまうという認識があるのではないだろうか。
本講演では、科学技術政策の視点から、諸外国における数学研究に関する取組み、日本の数学研究を取り巻く環境の変化、最新の政策動向や国際的な取組みなどを紹介し、数学研究の可能性にも触れたい。

日時
2008年3月27日(木) 15:00 - 17:00
会場
こまばエミナース(鳳凰の間)
講師
細坪 護挙(ホソツボ モリタカ)氏
(文部科学省 科学技術政策研究所 第2研究グループ 研究官)

京都大学工学部原子核工学科卒業。京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻修士課程修了。工学修士。
科学技術庁入庁後、原子力安全局原子力安全課、文部科学省研究振興局基礎基盤研究課材料開発推進室などを経て、現職。 科学技術政策研究所配属後、数学研究、大学教員人材の流動性、研究開発サービスに関する調査分析などに従事。

【主な報告書・著書】
「忘れられた科学-数学」(2006年5月、科学技術政策研究所Policy Study No.12)
「米国の数学振興政策の考え方と数学研究拠点の状況」(2006年10月、科学技術政策研究所調査資料No.131)
「数学イノベーション」(2007年8月、(株)工業調査会、科学技術政策研究所編著)の第1章(9-52ページ)及び全体編集担当
「研究開発サービス業の統計による把握に関する考察」(2008年2月、科学技術政策研究所Discussion Paper No.46)