年金・医療に関するトピックス
2013年3月13日更新
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EUの保険規制案であるソルベンシーIIの年金版について計量的影響調査がおこなわれました。算定の技術的仕様が以下に公開されています。
European Commission "Quantitative Impact Study(QIS) on Institutions for Occupational Retirement Provision(IORPs) - Technical Specifications - " 8 October 2012
詳細は、https://eiopa.europa.eu/consultations/qis/occupational-pensions/index.htmlをご参照ください。
なお、年金に自己資本規制を入れる考え方は賛否両論あり、実施時期は未定です。 -
英国の年金規制を司るThe Pensions Regulatorが内部統制の基準を2006年11月に公表しています。
http://www.thepensionsregulator.gov.uk/codes/code-internal-controls.aspx
2011年11月1日更新(新BIS規制と給付建て年金の積立不足)
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英国のKemp およびPatel共著のEntity-wide risk management for pension funds A discussion paper (年金基金のためのERM(統合リスク管理):討議資料)の翻訳を著者の許諾を得た上で行いました。
英国の制度と日本の制度は異なりますが、年金基金に関するリスクを考える上で参考になると思います。
(なお、欧州らしく保険規制のソルベンシーIIに関する言及も若干あります(翻訳の82頁参照)。)
Entity-wide risk management for pension funds A discussion paper (年金基金のためのERM(統合リスク管理):討議資料)の翻訳 -
米国AAA(米国アクチュアリー学会)およびSOA(米国アクチュアリー会)共同作成のPension Actuary's Guide to Financial Economicsを、AAAおよびSOAの許諾を得た上で、翻訳しました。
米国は日本と税制や年金法制(支払保証制度を含む)も異なりますので、そのままあてはめることはできませんが、ご参考になれば幸いです。
また本文中にもありますが、このガイドは米国年金保護法(PPA)前の企業年金規制を前提としています。
年金アクチュアリーのための金融経済学ガイド
2010年2月24日更新(新BIS規制と給付建て年金の積立不足)
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昨年12月にバーゼル銀行監督委員会から、金融危機を踏まえた銀行規制強化案が発表され、コメントの締切が2010年4月16日となっています。
この中で給付建て年金の剰余や積立不足を自己資本比率計算上除外することが提案されています。
この規制強化案に対して、積立不足の自己資本への反映を5年償却という取り扱いをしていた英国の銀行界からは、反対の声が上がっていると下記ファイナンシャルタイムズの記事は報じています。
この記事で紹介されている意見は、市場環境が悪くなって積立不足が拡大すれば自己資本が減少し、それによって貸し出しが抑制されることになり、一層市場環境が悪くなる、まさに金融危機対応で話題になっていた「プロシクリカリティー」にターボチャージャーをつけるようなものだというものです。
日本の場合は、銀行の時価総額に対する年金債務のウエイトが英国より小さいのでそれほど大きな問題にはならないかもしれませんが、影響は確認中です。
今後、会計基準のバランスシート上の即時認識との関係で議論されることになるでしょう。
詳細は以下を参照ください:
英国フィアンシャルタイムズの記事:
http://www.ft.com/cms/s/0/2f26459a-15c0-11df-ad7e-00144feab49a.html
バーゼル銀行監督委員会の公開草案、日本語解説資料(金融庁ホームページ):
http://www.fsa.go.jp/inter/bis/20091217.html