例会

2021年度 第7回例会のご案内

2021年10月18日

テーマ
(Part 1)「気候変動が生命保険と医療保険に与える影響」

気候変動は世界的なトレンドであり、人間の健康に直接的・間接的に広範囲な影響を及ぼします。 これらの影響を理解することで、保険会社は、影響を受ける可能性のある気候変動の結果と保険商品の組み合わせを選択することができます。 保険数理の観点から、保険ポートフォリオへの長期的な影響のモデリング、新商品の設計とプライシングの検討、 不利なストレステストを実行するための適切なシナリオの選択など考慮すべきいくつかの関連分野があります。 生命保険会社や医療保険会社のビジネスモデルは、顧客のウェルビーイングを中心としており、 気候変動によって形成された世界でお客様のレジリエンス構築をサポートすることは、保険業界のパーパスとして認識すべき課題です。

(Part 2)「損害再保険に対する物理的な気候変動リスクの影響の評価」

海は温暖化し、温暖化が拡大することにより海面を上昇させ、沿岸都市を危険にさらしています。 海の温暖化はまた、台風がより遠くまで移動することを可能にし、 移住者の増加によって急成長している都市にも大きな被害を与えます。
年間数十億ドル規模の気象損害が発生し、損害保険業界の収益が低下していることがわかります。 また、温暖化した気候で水文気象学的な危険がどのように反応するかを調査する科学的研究も増えています。 気候リスクの移転は数十億ドル規模の産業であり、技術と科学の大幅な進歩を遂げている状況下において、 リスクの定量化を事業とする専門家の私たちは皆、リスク移転交渉において気候トレンドの評価を一般的にするのを支援する上で重要な役割を果たします。 このセッションでは、観察およびモデル化されたトレンドをプライシングおよび損害再保険の購入にどのように組み込むことができるかについてのケーススタディを紹介します。

日時
2021年11月11日(木) 18:00 - 20:00
会場
Zoom利用によるWebinar開催
定員
先着500名
講師
Irene Merk 博士
(Emerging Risks Ambassador、SCOR SE)

ドイツのアーヘン工科大学で物理学とコンピューターサイエンスの学位を取得しており、認定エンタープライズリスクアクチュアリーです。 元々薬剤師の家系から、人間の視覚系のモデリングで博士号を取得しましたが、2001年から再保険業界に加わりました。 その後アクチュアリーの資格を取り、再保険のR&D、プライシング、バリュエーション、マーケティング、引受、リスク管理においてさまざまな役割を果たしてきました。 SCORでは、さまざまな「自己リスクとソルベンシー評価」やTCFDによる気候変動の開示など、世界規模の内部および外部のリスク報告とモニタリングを生命と医療再保険の側面からサポートしています。 彼女は、リスク文化に特別な関心を持って、SCORの生命と医療の再保険部門の新興リスクプロセスを主導しています。
また、CROフォーラムの新興リスクイニシアチブや、ドイツ保険数理協会のさまざまなワーキンググループで活躍しています。

Junaid Seria 氏
(Head of Analytics & Governance、SCOR SE)

ロンドン、パリ、チューリッヒ、シカゴの地球科学者とアクチュアリーのチームを率いています。 チームの活動には、CATの研究、CATのモデルの評価/開発、CATの報告、ポートフォリオのプライシングの妥当性、モデルのガバナンスが含まれます。 彼はアクチュアリーとして、過去15年間にわたり保険、再保険、コンサルティングの様々な役割を果たしてきました。
また、EIOPA、ジュネーブ協会、イングランド銀行の PRAのワーキンググループでCATのモデリングと気候変動の専門家を務めています。

※英語での講演となります。当日は日本語通訳があります。

公式CPD
2.0単位 <生命保険>

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